このところ、AT&Tの苦悩が伝えられております。
iPhone独占提供キャリアのAT&Tが方針転換 – データ通信の従量制移行を検討
ニューヨークでiPhoneが販売停止に、利用者による通信量の増大を受けて
改めて言うまでもなく、iPhoneのデータトラフィックはとんでもないことになっています。
アメリカ国内のトラフィックのうち、半分近くはスマートフォンによるもので、さらにその半分以上は、iPhoneによるものです。
iPhoneがいくら普及しているからと行っても、AT&Tの1/4がiPhoneユーザなわけはありませんから、iPhoneユーザが大変なデータ食いであることは間違いない。
だって、楽しいもん(笑)。
そもそも、Appleはこのことを見越していた節があります。
なにしろ、データ通信定額制をキャリアに対して強いているようですし(だから、ソフトバンクは、iPhoneのために、わざわざパケット定額フルを用意した)、Wi-Fiがあるところでは、Wi-Fiを自動的に選択するような配慮も見せている。
ですが、それでも、キャリアの意向からかけ離れたデータの使い方であることは間違いありません。
キャリアにとっては、痛し痒しです。
このデータを無節操に使えることからくる利便性こそが、iPhoneの魅力。もはや飽和状態になった市場ですから、他社から客を引き抜くしかない。そうすると、iPhoneは捨てられないアイテムです。
しかし、一方で、定額制であるが故に、iPhoneは儲からない。むしろ、設備投資を強要する、困ったアイテムです。
iPhoneは、魔物のようなアイテムですね。
キャリアのコントロールは全く効かない。しかし、キャリアを利し、同時にキャリアをむしばむ。
キャリア主導によって、キャリアの都合の良い端末が生まれていた時代から、ぽん!と、飛び出したアイテムと言えます。
ここからは、AT&Tや、ソフトバンクなどの判断が大きく影響するでしょう。
キャリアが団結してAppleに「定額は嫌だ。しかるべき負担をしてくれ。」と言うことができれば、キャリアは再びコントロールを取り戻せるかもしれません。
さしものAppleも、キャリアになることはできないでしょう。
しかし、それが消費者にとってよいことかどうかは、わかりません。
難しい未来・・・・ですね。
でもね、Win-Winじゃないと、結局、よい選択ではないのでしょうから。難しいですねぇ。